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2009.12.31

家をたたむ・その2

31日朝。携帯が鳴る。ご住職から。わが家の仏壇の前の経机を譲ってもらえないかという。この大きめサイズの経机が欲しかったそうだ。もちろんオーケーですと返事する。

小雪舞う中早速現れてお持ち帰りになる。その足で京都まで経机の上に広げる経本を買いに行くとのこと。
どう処分したらいいのかと困っているようなものも必要な人にはお宝である。
そうこうしているうちにヤマダ君が骨董に造詣が深いカメラ修理を仕事にしているNさん、奈良在住の作家寮美千子さん夫妻を連れてやってくる。
作家寮美千子さんは存じ上げなかったのだが古い民家や家具が大好きで数年前に首都圏から奈良に移住されたのだという。好奇心とバイタリティの塊のような方である。
寮さんは敷地に入るなり、わあ素敵、え、この家もう売れちゃったの、こんな家を探していたのに、と大変なお気に入りよう。もう少し早くお会いしていたら、文句なしにお譲りしていただろうから、こういうすれ違いもまた出会いなのであろう。
戦前の16ミリ映写機は修理ができるかどうかNさんにお持ち帰り願う。修理できて動いたとしても、映すべきフィルムは行方不明。これからの大片付けで出てくるかもしれないが保存状態は期待できない。修理する工程を楽しむというのが一番だろう。
皆さんで建物、調度などをわいわい言いながら眺めて廻って、この昭和の初めに建てられて今歴史の一幕を閉じようとしている家に最大級の讃辞を送っていただいた。家とお別れするにあたってはよい供養となったのではないかとおもう。
つむじ風のような一団が去って、私も東京の家に帰って正月を迎えるべく実家を出た。
人にも家にも寿命がある。生まれた家で育って生まれた家で死ぬという人生を送れる人はまれである。父はほぼそう言う人生だったのだが、それでもこの家が完成した時は小学校1年生だった。
長い間父のように一所にじっととどまっている人生は嫌だと思っていた。家は出るもんだと。
結局このまま出っぱなしが確定したということである。


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コメント

Mixiに載せられた寮美千子さんの日記からお邪魔致しました。
すばらしいお宅を売却なされたのですね。

飛んで見に伺えるなら拝見させて頂きたかったです。

投稿: ゆみ | 2010.01.06 11:21

ゆみさん コメントありがとうございました。
寮さんのMixi日記に足跡を残してきました。

投稿: 院長 | 2010.01.07 00:16

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