« 対大宮戦、新三銃士 | トップページ | 寿司の次郎長 »

2009.10.18

真田風雲録

福田善之作・蜷川幸雄演出「真田風雲録」をさいたま芸術劇場へ観に行く。さいたま芸術劇場は初めての劇場。蜷川幸雄氏はここで、シニア世代を集めた芝居や、今回のような若手を使った芝居など、精力的に新しい試みを行っている。

昨夜ヤマダ君と、福田善之はやはり特別な劇作家だったねというような話をした。高校2年の時の「袴垂れはどこだ」は、いまなお私やヤマダ君の人生にまとわりついているような気がする。今でも私は「男」の台詞のほとんどを覚えているしヤマダ君は「じさま」の台詞を覚えているだろう。
その「袴垂れ・・」の4年前にこの戯曲は出版された。私が出会った順序は逆だったけれど。
「真田風雲録」は「関ヶ原の合戦」=「第二次世界大戦」、「大坂冬・夏の陣」=「60年安保闘争」、「真田十勇士」=「安保ブント」と読みかえれば成立する。
作者は「この戯曲は60年安保の戯画化と見るのはむろんまちがいだが、しかし、60年とその直後の情況を、さまざまな形で反映していることは確かである。」と後書きに記している。
「関ヶ原の合戦」も「大坂冬・夏の陣」も知らない世代ではあるが、この脚本にはその後に見聞きした多くの命題が集約されている。
で、蜷川演出。
相変わらずスケールの大きさで観客の度肝を抜く。舞台は奈落にしつらえられた「泥沼」である。ホントに泥沼を作ってある。芝居はほとんどこの泥沼の上で進行する。合戦の甲冑などはあっという間に泥まみれになる。役者の衣装も泥まみれである。最初出てきたときは普通なので毎回洗濯しているに違いない。客席に泥が飛び散るためビニールシートがあらかじめ配られている。こういうはた迷惑な芝居は大学の先輩の島さん「黄金劇場」、WAHAHA本舗以来である。
若い人たちの動きはとてもよい。台詞回しは、今ひとつの所もあるが、自分のこどもくらいの世代の人たちがこういう芝居に取り組むということに感慨深いものがある。

ヤマダ君が東京に出てくることがわかっていれば、チケットを確保していっしょに行けばよかったのになあとちょっと残念な気持ちである。
今日の公演のあと蜷川幸雄氏は「埼玉名誉県民賞」を受けて、表彰式が「泥沼」の上であった。蜷川氏と因縁浅からぬヤマダ君がいれば面白かったのに。

|

« 対大宮戦、新三銃士 | トップページ | 寿司の次郎長 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 対大宮戦、新三銃士 | トップページ | 寿司の次郎長 »