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2008.09.30

コンニャクゼリーで窒息死

またしてもコンニャクゼリーによる窒息死である。今回は1歳9ヶ月の男児で、祖母がおやつに冷凍した「マンナンライフの蒟蒻畑マンゴー味」をあたえて、のどに詰まらせて窒息したという。

こういう事故が起きると、幼児と高齢者にコンニャクゼリーは危険なのであたえないようにというキャンペーンが張られる。それでも、コンニャクゼリーはスーパー等では普通に売られていて、多くの人はその危険性を知らない。それで、また事故が起きる。
そんなものだから、コンニャクゼリーの販売を禁止すべきだという意見も出てくる。
「危険だから気をつけよう」では事故はなくならないのである。
事実、ヨーロッパや韓国ではゼリーにコンニャクを混合して食品にすることを禁止されている。これは、危険に対する認識もさることながら、彼の地ではコンニャクゼリーをわざわざ食べる食生活があまり定着していないからだろう。

コンニャクゼリーは食べてはいけません。
ええ、言われなくても食べませんが、何か。

さて、日本でこういう規制が可能だろうか。
コンニャクゼリーの事故が起きるといつも引き合いに出されるのが「餅」である。
餅による窒息事故はコンニャクゼリーの比ではない。毎年、東京都消防局だけで年末年始に20−30人の餅による窒息事故の出動があるらしい。それに比べたら、と言うわけだが、餅を食べる人と、コンニャクゼリーを食べる人の数は圧倒的に違う。
もしみんなが正月に餅の代わりにコンニャクゼリーを食べたらどんなことになるか。
餅がないと正月を迎えられないが、コンニャクゼリーを食べなくとも正月は来る。
餅は腹持ちがよくてマラソンの前のカーボローディングによいが、コンニャクゼリーはエネルギーにならない役立たずである。
コンニャクゼリーはダイエットに役立つというが、そういう人は別の性状のダイエット食品を摂ればよい。他にいろいろあるでしょう。

そう言うわけで、コンニャクゼリーを禁止してもコンニャクゼリー製造販売業者以外はあまり困らないのではないか。それに、コンニャクはコンニャクとして売ればよいわけだし。
何もこんなややこしいお菓子にしなくてもよいのではないか。業者にしたら死活問題だと言われればそうかも知れないが、筋の悪い商売ってのもある。

コンニャクゼリーがなくてもちっとも困らないがコンニャクゼリーで亡くなる子どもは後を絶たない。そう言うことだ。

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コメント

私は販売中止などはいきすぎだと思います。
パッケージにもきちんと老人・幼児は×と表示されています。
それなのに食べさせるということが問題だと思いますし、
企業のせいにする行為はおかしいような気がしてしまいます。

消費者に注意を喚起しても聞かないし、
消費者は注意書きすら読まないのでから商品事態をなくそうというのは横暴な気がします。

しかも今回の死亡事故は、わざわざゼリーを凍らせたものを食べさせています。
注意書きを無視して、しかも凍らせることによりわざわざ詰まらせる可能性を格段に
UPさせた状態にして子供に与えている消費者が悪いとしかおもえません。
普通のゼリーでも凍らせてしまえば危険なものとなるのではないでしょうか。

餅などの流通の多いものならいくら死亡事故が起こっても何もいわず、
流通量がすくないならなくなっても問題にはしませんというのは、
巨大な権力には逆らわずへつらって、小さいところをつぶそうとするいじめのような行為に見えてしまいます。

投稿: あい | 2008.10.01 21:15

 横浜の同業者です。
 コンニャクゼリーによる窒息で重い脳障害になったお子さんを10年ほど在宅診療(往診)していた経験があります。
 救急病院が近くにあったため救命できましたが、その後はずっと寝たきりの生活でした。ずっと引きこもってお子さんとだけの生活を続けていたお母さんとお話をするのが一番の仕事だったかも知れません。重い障害を持ったお子さんのキャンプのお話をしても「ウチの子にはそんなのとても無理です」といっていたお母さん。
そのキャンプに行くには8年かかりました。そこでお父さんとはじめて一緒にお風呂に入った写真が残っています。
 コンニャクゼリーを子どもに与えるのは非常識かも知れませが、その情報がどれだけ伝わっているかはまた別です。その情報(知識)がない場合に、子どもが死んでもやむをえないかということでもないと思います。
 今回の件でコンニャクゼリーが消え去ることもないでしょう。その一方で、お子さんの命を守るにはどうしたらよいか、との立場にいる者として何が可能かを考えたいと思います。コンニャクゼリーとお餅(そのほかにも「ヒエピタ」などいろいろありすが)には「窒息して死ぬことがある」との注意書きを袋の2/3位に書いてもらいたいですね。

投稿: くろうさぎ | 2008.10.01 23:50

コメント ありがとうございます
確かに、欧州連合のようにこんにゃくゼリーを禁止するというのはなかなか難しいと思います。昨日、事故予防でご活躍の山中龍弘先生と話をしてこの話題が出ました。以前から厚労省に何度も働きかけているが、食品は管轄だが窒息事故は食品としての問題ではないので管轄外、経産省も管轄外でそういうのを「すきま事案」というのだ、とお役人自らが言っていると怒っておられました。「消費者庁」の新設でちょっと期待したのだがこの情勢ではどうなることか、とも。

現状では、いくら私たちが乳児検診の時に必ず「誤飲」の話をして注意を喚起しても情報の行き渡り方には限度があります。袋に小さい文字で注意書きが書いてあっても読む人は希。ちゃんと読む人は買わないでしょう。問題は、知らずに買ってしまう人たちです。
「危ないから注意しましょう。では、事故はなくならない」というのは山中先生の口癖ですが、こんにゃくゼリーの場合、事故が起きやすい形態、サイズ、性状すべて備えています。わざわざそのように作られているのですから、このことに何らかの介入をしないと問題の解決には向かわないと思われます。
「回転ドア」の事故でも、「ちゃんと手を引いていない親が悪い」という「自己責任」論が出ましたが、事故の詳細な分析をして、何故事故はおきたのかを考え、回転ドアの構造的欠陥が照明されました。今はご存じのように回転ドアは取り外され、通常の自動ドアに取り替えられています。
こんにゃくゼリーもやはり販売中止を含めた何らかの介入が必要ではないかと思いますね。

投稿: 院長 | 2008.10.02 13:59

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