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2008.06.23

小児救急を考える会

「川崎市の小児救急を考える会」の定例会に出席する。市内の小児救急に携わる病院と医師会、小児科医会がメンバー。そう言えば、最近行政の方は出てこなくなった。爆発の気配が遠のいたと判断して撤収したか。2年で担当者が変わるので、うまく引き継ぎがなされてないのかも知れない。

各病院からの現状報告。昨年までの小児科医定員割れ、産休で減員もうやれない、といった悲鳴はなく各病院は落ち着きを取り戻しているようだった。この間大きな変化があったわけではないが、大都市圏では小児科医の供給はなんとか需要に追いついてきたということなのだろうか。もちろん絶対数としては足りないのは間違いないだろうが。
新百合ヶ丘に病院が進出するという話で、そちらに患者がどれだけ流れるか、というのも関心事であった。近隣の病院としては夜の「救急」はそちらに流れて欲しいけど、昼間の患者と入院は流れては困るというところ。痛し痒しではないかと思いながら聞いていた。新しい「救急施設」ができると、それまでどこに行っていたのかと思うほど「時間外患者」がやってくる。施設が増えても周辺の救急施設は楽にはならない事が多い。供給が需要を喚起するという好例である。
それでも、鶴見区の横浜東部病院で救急を始めてからは市立川崎病院の救急患者は減ってきたという。もともと川崎病院の救急患者の3割は鶴見区からだったと言うからこれはこれまでの事態が正常化されたということだろう。
小児科学会の将来計画では小児救急を破綻させないために各地域で中核病院を決めてそこに小児科医を集中させることが提案されている。中小の病院の小児科は閉鎖してその人員を中核病院に配置して効率化を図るというものである。当然のことながらこれには中小病院から反対の声が上がる。それぞれの病院は地域と密着して独自の理念を持ってやってきているのである。上からの一声でお取りつぶし、併合せよでは納得がいくわけがない。地域に密着しているという自負もある。
効率という点から見れば、少数の大病院とあとは開業医だけというのがいいだろう。そうしなくてはやっていけない地域もあるに違いない。しかし、川崎市のような大都市圏で大小の病院がたくさんあるところでは、集約化しなくてもやっていけるという現状認識になる。いや、むしろ集約化が医療の地域性をそいでしまうという考えになる。
「抜本的改正」というかシステムを「ガラガラポン」すると言うのにはよほど先を見据えた理念がないとできない。どうも、小児科学会の提案には中小病院とそれが成り立つ地域を説得しきる論理が見えない。

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コメント

毎日、拝読していますが、診療日誌という性格上、当然といえば当然ですが、ホントに、いい、立派なお小児科医様ですね。偶には、僕個人に、メールをしてください。東京での同窓会、八島君や鵜山君たちの座談会が、どんな話で盛り上がったか、とか……。こういう話は、先生のブログの範疇ではないのかもしれませんから。

投稿: 山田陽一 | 2008.06.24 02:50

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