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2008.05.09

カルテ内全文検索

電子カルテを使うメリットはいろいろあるがその中でも大きな比重を占めるのが「検索機能」である。もともとレセコンにも検索機能はあって「病名」で検索したり「処方薬品名」で検索したりすることは出来た。しかしこうした限られたフィールド内の限られたキーワードによる検索ではなかなか目的を達することは出来ない。WINEStyleの最新バージョンでは「全文検索」の機能が追加されていたのだが最近まで使うチャンスがなかった。

検索機能を使ってどういう事を知りたいのか。例えばこういう時。
突発性発疹症は小児でよくある熱と発疹の出るウイルス感染症である。ウイルス感染症なので抗菌薬は無効である。しかし、高熱が出たりするので以前はほとんどの患者さんに「念のため」抗菌薬を処方してきた。大阪のK先生のデータでは5年前には最終的に突発性発疹症と診断した例の90%以上に抗菌薬を処方していたという。それが最近では10%以下に減った。大まかな感覚では私もそんなものだろう。
どうしてそんなデータが出せるかというとK先生はすべての症例のメモをカルテ以外の別ノートに書いている。それを片っ端からめくって症例を見つけ出し、紙のカルテに当たってデータを出している。
そんなノートを持たない私はどうするか。そんな時の電子カルテである。しかし「病名欄」しか検索できないとまず「突発性発疹症」なんて引っかからない。診察している間の病名はたいてい「急性上気道炎」とかの「保険病名」である。これでは検索しても意味がない。カルテの医師記録欄(2号用紙)から「突発性発疹症」の文字列を見つけ出して症例のリストができないとK先生のデータにはかなわない。電子カルテならどれでもできそうに思えるが、これが案外出来ない。ある電子カルテの開発者のドクターは電子カルテのワークショップで「データの二次利用なんて言うけれど、そんな使い方する人本当にいますか?」と言った。そのドクターの開発した電子カルテは医師記入欄への手書き入力が可能なことが「売り」。電子カルテのハードルの低さで普及しているが、カルテ内容が「文字情報」ではなくて「絵」としての情報となるので検索ができない。結局紙のカルテをディスプレイで見ているのとかわらない。
全文検索機能があってよかったと思ったケースが最近あった。
海外でヒブワクチンを接種して帰国した人にインタビューしたいので紹介してもらえないかという依頼がきた。そういえばそんな人が何人かいたなあ、とは思ったが顔も名前も思い出せない。電子カルテのワクチン歴の欄にもまだ「ヒブワクチン」の項目もない。
こういう時の「全文検索」。
2007年1月から2008年4月までの期間に「ヒブワクチン」または「Hib」という文字列を含むカルテを抽出する。ヒットしたカルテを開いて内容を確認。ちょうどいい人が見つかった。カルテの地の文に「タイでヒブワクチン2回接種済み」と書いてあった。何でも書いておくものである。
なにしろ、書いてないことは検索できない。

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