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2007.06.01

たんぽぽの毛は風が刈る

先日銀座から帰る途中のこと。地下鉄の広告にふと目をやると「母は、僕が願うより、必ず髪を短く切った。」というコピーが谷内六郎の絵に添えれれていた。かやぶき屋根の農家の軒先でお母さんが男の子の髪をバリカンで刈っている。その前ではたんぽぽの綿毛が風に吹かれて飛び始めている。そこには「たんぽぽの毛は風が刈る」と。

そんな景色にノスタルジアを感じるわけではないが、確かに子どもの頃、髪は願うより短く刈られた。育った田舎では、村の中に一軒しかない「エンドウの散髪屋」に子どもたちは行かされた。前髪は、「あんまり切らんといて」の願い空しく、おでこの上の方でまっすぐにそろえて切られた。襟足はバリカンで刈り上げられ、その後に白い天花粉をぱたぱたと振りかけられた。なので、散髪屋から出てきて友達と会おうものなら一発で散髪帰りと見破られて「お初、ペンペン」と頭をたたかれた。
地域の中学校は「丸刈り」に決まっていた。その上、校内でカツアゲされたとか、今で言う「荒れた」学校だった。何としても丸刈りは逃れたかったし、ガラの悪い学校には行きたくなかった。で、一生懸命勉強して町の中高一貫校に合格した。当時丸刈りでない中学校は国立、私立を含めても珍しかった。野球部員ですら髪を伸ばして帽子の下から長髪がはみ出していた。阪神にいた井川みたいな感じ。この時期に丸刈りを免れたおかげで一生髪の毛は長いはずだった。学生時代は「僕の髪が肩まで伸びて、君と同じになったら・・・」てなぐあいでロン毛だったし、研修医の頃はそれにパーマをかけていた。今や自分でも信じられないけれど。
後頭部が薄くなって透けてくると長い髪が煩わしくなる。少ない髪を長さでカバーするという根性が潔くないと思うのだ。それで理容室での注文が、もっと短く、ということになる。そう、「オヤジの毛は時が刈る」のだ。

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コメント

上手い!

島の漁師さんで、頭頂部も陽に焼けて意外と目立たない人がいます。

投稿: 山猿 | 2007.06.02 11:46

年季の入った日焼けは自然と周辺にマッチするんでしょう。頭頂部はゆっくりと焼かないとまずいようです。昨夜松本人志のすべらない話でキム兄いがスキンヘッドにして頭頂部熱傷になった話をしてましたね。

投稿: 院長 | 2007.06.03 14:02

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