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2007.05.10

ニンニク注射とドーピング

フロンターレ我那覇選手のニンニク注射・ドーピング問題に対するJリーグ理事会の処分が決まった。我那覇本人には出場停止6試合、チームには1000万円の罰金。出場停止にはすでに出場自粛したACL予選を含む4試合が含まれるので、ACLアレマ・マラン戦と土曜日の対甲府戦アウェイを休めば晴れて復帰ということになる。処分が出るまでに時間がかかりすぎたのは頂けないが、我那覇にとってはこの程度の処分ですんでよかった。チームへの1000万円の罰金もまあこんなものかと思う。それにしても、こんな騒ぎになったのはチームドクターの軽率な判断と言わざるをえない。

ニンニク注射についてネットで検索してみると、あるわ、あるわ。目につくのは「スポーツドクター」を自認されている方のHP。一部だけちょこっと引用させてもらうと、

『日本選手の活躍が続くアテネ五輪で、選手のパワーの源となっていたのが「ニンニク注射」だ。(新聞記事の引用)』
『そんなさまざまな状況において「勝つためのコンディショニング」という発想のもとに「ニンニク注射」が当クリニックのH院長によって開発されました。』
『このビタミンB群を注射でおぎなうと更に効果的で、スポーツや仕事で疲れた体を元に戻す作用があります。』

もし、上記のようにニンニク注射に効果があるとしたら、これは
『スポーツ選手が薬物などの不正な手段により、競技成績を上げようとする行為をドーピングという』という定義からすれば、明らかなドーピング。ニンニク注射の「開発者」H氏は複数のJリーグチームの選手にニンニク注射をして、そのために好成績をあげたと自慢げに語っておられる。
何故これまでこういう行為がスポーツドクターと称する方々によって堂々と行われてきたのか。それはこのニンニク注射が「不正な手段」ではないという認識にあると思われる。ビタミン剤は「ドーピング禁止薬物」に指定されていない。健康保険でもビタミン欠乏症には使用が認められているが、基本的には「食品」。健康人に投与して何らかの薬理効果が証明されているものではない。まあ、毒にも薬にもならない。注射でやっても似たようなものだろう、と。
つまり、効く効くと言いながら、医学的には無効なんだろうなという意識が前提にあるはず。で、なければ、『ドーピングとは競技能力を増幅させる可能性がある手段(薬物あるいは方法)を不正に使用することであり、スポーツの基本的理念であるフェアプレーに反する行為です。(JOC)』という理念に真っ向から抵触することくらいわかるはずだ。
ところが、昨年からいかなる静脈注射も禁止されたことを知りながら「治療行為」として認められると思っていたという弁明が出てきた。ニンニク注射がどのような「治療」となるのだろうか。ビタミンは大雑把に言えばエンジンオイルのようなものだ。不足すればエンジンの働きに支障が起きるが、必要以上にばんばん注入してもエンジンの調子がよくなるわけではない。ビタミンも同じで必要量があればそれ以上いくら投与してもおしっこに出て行くだけである。
「疲れがあるので注射をした→元気が出た→だから注射が効いた 」という論法は民間療法の常套句。そもそも「元気が出る」、「疲労が取れる」などは主観的な事柄で客観的な評価は難しい。健康人であればちょっと休めば疲労はとれるし元気も出る。こうした医学的な評価が不明な行為を医師がおこなう「治療行為」とするのはいかがなものだろうか。

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» 最悪のスタジアム [日刊youtube 日刊youtubeスポーツニュース]
youtubeのスポーツジャンルから選んでみました。これがスポーツなのかというものも入っていますが、youtubeが選んだスポーツですので我慢してくださいね。 [続きを読む]

受信: 2007.05.10 21:37

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