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2007.04.22

小児科学会

京都で開かれた日本小児科学会学術集会から戻る。土曜日を休診としたのでご迷惑をおかけした患者さんもあったと思うけれど、井戸の中の蛙状態の開業医にとってはこういう機会に業界の風に当たっておかないといつの間にか取り残されてしまう。2日間ほぼ真面目に参加。奈良の実家からの片道2時間はちょっと遠かったが、奈良・京都観光と思えばそれもよろしい。

特別講演でユニセフ親善大使の黒柳徹子さんのお話を聞いた。親善大使として世界各地の紛争地域をたずねた時の話。写真のスライドなどは一切使わずおしゃべりだけ。さすがは黒柳さん、おしゃべりだけで臨場感あふれる報告になっている。そんじょそこらのひとの話じゃこうはいかない。1時間半くらいの話だったのだがあっという間だった。
「小児医療の危機」という観点からのシンポジウムや講演がいくつか。病院小児科の労働環境が悪いために小児科勤務医が疲弊して燃え尽き症候群となり、つぎつぎと開業していく。こうした現象(小児科だけにかぎらない)をある人は「立ち去り型サボタージュ」と呼んで、最近この言葉がよく使われるようになった。こういう言われ方をすると、じゃあ、開業したやつは要するにサボタージュしているのかということになる。ここ10年くらいの傾向という話で、私が開業した11年前あたりはこういう「汚名」を免れるのかもしれないが、開業する動機や流れを問わない一面的な評価といえるし、開業医に対するちょっとした悪意が背後に感じられてイヤなひびきの言葉だ。もともと最初に言われた方のニュアンスは別の所(強く現状を改革打破できないので消極的な抵抗としての立ち去り)に力点があったのが、最近の使われ方はちょっと違うように感じるのである。
小児科勤務医の状況が厳しいと言うことには同意するし、何とかしなくては小児医療が先細りすることも事実。小児救急が小児科勤務医疲弊の一因という意見は強い。それはその通りで、初期救急に関しては勤務医の負担を軽減するために開業医もできるかぎり参加するようにしている。それでも救急が勤務医にとってストレスなのは自分の体験からもよくわかる。「救急」と「夜間診療」の区別がなされない。「開いててよかった」のコンビニ受診がエスカレートする。「救急」でも何でもない患者が夜中に押し寄せて当直医は朝まで眠れない。私だって小児急病センターの当番をやっていて頭に来ることはしょっちゅうだ。
医療費助成で無料というのがいけないという意見も強い。救急は自己負担ありにするべし。これは救急車の利用も有料にすべしという意見と根っこが同じ。何でもタダは人の判断力を養わない。今の状況が続くようなら、救急は窓口負担ありという方向に向かっても仕方あるまいという気にさせられた。

その他、いろんな方と久しぶりのご挨拶を交わす。来年は開催地は東京だという。これなら休診しなくても一日半は参加できる。

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