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2007.02.25

豊年虫

脳外科病棟に入院中の叔母に面会。叔父は私が高校生の頃に亡くなっている。叔母は東京の病院で看護師をしていて、定年退職したあとは郷里の隠岐に戻っていた。子どもはなく一人暮らし。3年前に頚椎の病気で手がしびれて動かなくなり知人のつてで千曲市の病院へ手術しにやってきた。手術はうまくいって退院できたのだが、冬の間は隠岐の一人暮らしよりは病院で入院していた方が楽でしょうというすすめで入院している。一応名目はリハビリらしいのだが、歩けるし、しゃべれるし、手も細かな動きは難しいが食事は自分でとれる。昨冬も今冬もこの病院で過ごしている。こういう「社会的入院」が受け入れられるところもあるのだと、妙な感慨をおぼえた。

長い間会っていなかったし、病院から電話がかかってきて「私ももう長くないけど、死んだら○○さん(叔父)と一緒のお墓に入れてちょうだい。あなた、お墓の場所知ってる?八王子の」なんて言われるととりあえず会いに行かないわけにはいかない。こちらでお世話になっている方にも一度お会いしてお礼を言わなければならないし。
Honen ということで、病院近くの戸倉上山田温泉に宿をとる。ネットで調べたところでは笹屋ホテルの「豊年虫」という和室がよさそうだった。昭和の初めに作られた和室は逗留した志賀直哉の短編小説「豊年虫」にちなんで名付けられたという。豊年虫とは「かげろう」のこと。ホテルの敷地の一角に8室がこぢんまりとある。建築家ライトに師事した遠藤新という方が設計して、有形文化財に指定されているという由緒ある建物らしい。さぞや凝った造りなのだろうと思っていってみた、意外なほどあっさりとした建物。たたずまいが奈良の実家によく似ている。廊下の木製のガラスサッシなど同じではないかと思うほど。座敷の掛け軸壁や書院風の所なども全く同じ構成。実家も昭和初期の建物で、あのころの基本的なお約束を踏襲しているのだろう。
Honenmusi 食事はなかなかよかった。8室の和室だけのために厨房が別になっていて、すぐ近くから運ばれてくる。
これは「豊年蒸し」と名付けられた一品。大根をくりぬいた中に湯葉とホタテが詰められていて蓋はご飯のおこげ。
他にも牛ひれの陶板焼きや味噌田楽など、みなおいしくいただいた。

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