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2006.11.29

誤飲・中毒の電話相談

昨日は北部小児急病センターの準夜当番。このところ大流行のゲボ風邪こと感染性胃腸炎がきっと多いだろうなと覚悟していったらその通り。急病センターには経口補水液が置いてないから、ポカリスエットに食塩を足してOS-1にする作り方を来る人ごとに説明しなくてはいけない。ナウゼリンの坐薬を出しておいておさまらないようなら点滴ね、というよりはずっと手間暇がかかる。その上、2ヶ月ほど前から北部小児急病センターに誤飲・中毒の電話相談が転送されることになっていた。

準夜帯の相談電話は3件あった。
その1。5歳の子どもが落ちていた錠剤をラムネ菓子と間違えて食べてしまった。錠剤は「アナフラニール錠10mg」。これは子どものおねしょにも使う薬で1錠ならなんということもない。おねしょにはもう少し続けて飲まないと効きません。
その2。タバコを食べた。最初看護師が電話に出たらいきなり喧嘩腰だったそうだ。医者が出たらころっと態度が変わった。どうも今回が初めてじゃないらしい。だいたい子どもがタバコを誤飲するのは120%親が悪いわけで、以前は親への見せしめのために胃洗浄をする方がよいという主張もあったくらい。今は通常子どもが口に入れる程度のタバコの量では中毒症状は起きないというのが一般的な考え方で胃洗浄は不要という意見が多い。それでも、タバコ誤飲=胃洗浄という考えは少なからずあるので相談に乗る人ごとに答えは違ってくるだろう。もし胃洗浄派のひとが当番だったらどうするんだろう。急病センターで胃洗浄なんかするのか。当番で出てきている開業医の大半は10年以上胃洗浄なんかしてないだろう。私だってそうだ。仮に道具があったとしても使い慣れてないし、看護師も派遣のパートでどんな人かわからない。胃洗浄、初めて?あ、そう。まあ、やりたくはないわな。で、病院を紹介すると、何でこの程度の誤飲を紹介してくるんだと怒られたりするかもしれない。薬物などで緊急の処置が必要な場合には、紹介先の病院に連絡を取って了解を得てから患者に病院に向かうよう指示するとなっている。こういう処置は30分以内に始めた方がいいのだが、電話で紹介先を探しているうちに15分くらいはすぐ経ってしまうだろう。
その3。単4の乾電池を「飲み込んだかも知れない」。リモコンの電池が転がっていて一個足りないという。赤ちゃんはケロッとしている。ボタン電池の誤飲は多いが単4電池は珍しい。報告はあるようだが。飲み込んだかどうか確認するにはX線撮影すればよいので心配ならいらっしゃいと答えたが、私の当番時間帯には来なかった。ボタン電池ほどの危険はないので大丈夫だろう。もしボタン電池だったら、どうするか。やっぱり、病院に行ってもらうだろうな。処置が不要な場合でも後の経過観察があるもの。
結局、こういう誤飲の電話相談は必要ならいらっしゃいと言える施設が受けるのが妥当である。川崎市でも今年の前半まではこの電話は聖マリアンナ医大にまわっていた。ところが市立多摩病院の開院に際して聖マリアンナ医大から小児科医が多数移動したため本院の当直体制が手薄になった。そのことを理由に電話相談の返上ということになった。だから、事の流れからすれば市立多摩病院が電話相談を引き継ぐのが妥当である。
なのにどうして、北部小児急病センターみたいに毎日医者が入れかわって、時間帯も24時間すべてをカバーできないところに無理矢理持ち込まれたのか。
これは完全な医師会の思惑。市立多摩病院に初期救急をやらせたくないのである。医師会が主導権をもつ北部小児急病センターの存在価値が低下するような事は避ける。この一点である。徒歩で15分ほどしか離れていないこの二つの施設は合併してしまうのがいいというのがかねてからの私の意見。

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