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2006.05.06

カルテ開示

カルテを電子化することのメリットに患者さんへの情報開示がある。紙のカルテにミミズののたうった様な字で、英語ともドイツ語ともわからないような隠語を書き殴るというのは情報開示という点でははなはだ不都合。そもそも患者さんにわからないように書くためカルテはこんな風になったという説もある。情報の開示という観点から、これからはカルテの開示は避けて通れない問題だろうと考えた。どうせなら、一歩先を行った方がいい。

電子カルテにすれば最低限字は読める。日本語で誰が読んでもわかるカルテ記載もそう難しいことではない。電子カルテを導入すれば、その日の診療記録はそのまま患者さんにプリントして手渡すことができる。電子カルテ導入当初から、ある程度記載がこなれてきたら希望される方にはその日の診療記録のコピーを渡す計画だった。
電子カルテの側に多少問題があって、診療行為と保険点数も記載されるのだが、その点数が保険改訂に対応できていない。つまり間違った点数が記載される。保険点数の明細は医事会計システムの方から領収書を発行しているので問題ないのだが、その点数と印刷されるカルテの点数が違うのである。間違った点数なら記載されない方がいいと思って、点数を表示しないようにできないかと開発者になげてみたのだが今のところ対応はない。
4月1日スタートはまだ決心が付きかねて見送りとなり、結局5月1日から診療記録のコピーを渡し始めた。点数部分は切り取って渡すことにした。
カルテをそのままコピーして渡すとなると、あまりいい加減なことは書けない。業界内の隠語は使用禁止である。原則的にすべて日本語。白血球をWBCと書くくらいは許して貰う。World Baseball Classicと間違うかな。
問診の部分では患者さんの言うことをそのまま記載するのではないという事は理解して貰わなくてはならない。
「きのう、昼間からちょっと元気がないかなと思ってたんですよ。晩ご飯は好物のハンバーグだったのに残してちょっと変かなと思ったんですが、お風呂に入れていつののように寝かせました。なかなか寝付けないようなので、どうしたんだろうと思っておでこ触ってみたら熱いんです。あら大変と思って体温計で測ってみたら38.9℃ありました。冷えピタがあったのでおでこに貼って、また熱を測ってみたら39.1℃になっていて、慌てて救急に・・・」
というようなお話が、電子カルテでは
「昨夜から発熱(+) 39℃前後。救急受診」
という風にきわめて簡潔にマウスクリック数回で記載される。それを読んで、あんなに詳しく話したのにと憤慨されると困るのだが、どうせ紙のカルテでもみんなは記載してないはず。クリックで入らない内容はキーボードからテキスト入力するが、忙しい時は超単文である。
所見や検査結果はわからなければ説明するようにしている。血液などの迅速検査結果は別紙でもわたす。
抗菌薬を使う時は使う根拠をきちんと書く。
昼間診察した患者さんが、夜間に症状が悪化して救急に飛び込むことがあっても、それまでの症状や治療がきちんとわかるようなものを目指している。
今のところ、まだまだ不備も多くてあまり胸を張ってお渡しできるものとは言い難いが、とにかく「始めてみる」ということを優先した。渡すことを意識するとどうしてもカルテ記載にとられる時間が増えるが、ここが踏ん張りどころである。

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