« こどもの木クリニック | トップページ | マンドラゴラの降る沼 »

2006.04.17

水痘・おたふくワクチンについて

以前から、水痘やおたふくかぜワクチンについて決まって寄せられる疑問がある。ホームページの方にもお答えを書いてあるのだが今ひとつスッキリした答えになっていないので書き換えることにした。ということで、以下は改訂文案。

おたふくかぜや水ぼうそうのワクチンは10年くらいしか効果が続かないと聞きます。また、おたふくかぜや水ぼうそうは子どものうちにかかると軽く済みますが大人になってからかかると重症になりやすいそうです。子どものうちにワクチンを接種してかからずにすんでも、大人になってワクチンの効力が切れてからかかることを考えると、ワクチンを打たないで子どものうちにかかった方がいいのではないでしょうか。
よくこういう質問を受けます。なるほど、そうかなと思われる方も多いでしょう。でもちょっと考えてみるとそうではないことがわかります。
おたふくや水ぼうそうのワクチンは追加免疫を受けないでいると10年ほどで効力が落ちてかかるようになります。追加免疫を受けないということはどういう事かというと、おたふくや水ぼうそうに感染する機会がなかったということです。おたふくや水ぼうそうの患者さんに接触して感染してもワクチンのおかげで発症しないですんだり、軽く発症したりしたということは追加免疫を受けたという事になります。こういう場合は免疫はもっと長続きします。多くの人は一生かからないですむでしょう。ワクチンで強い免疫がついている場合は追加免疫ができませんが、強い免疫状態なので早期に消えることはありません。
一方ワクチンを接種していないとどうなるでしょう。ワクチンを接種していても10年経てば免疫がなくなるという心配は感染の機会がなかった人の場合です。おなじように感染の機会がなければワクチンを接種していない人もかかることはありません。10年後の条件は同じです。大人になって感染すると重症化する危険があります。
ならばということで、わざと子どものうちに患者さんと接触させて「貰って」おこうとする人がいます。たしかに子どものうちは軽く済むことがおおいです。しかし、水ぼうそうで肺炎を起こせば致命的ですし、命に関わらなくても跡形が残ることもあります。ゾビラックスという薬を使えば軽くすみますが、薬の副作用のリスクも考えないといけません。後になって帯状疱疹が出てくる危険もあります。
おたふくかぜには有効な治療法がありません。合併症として3000人に一人の割合で高度難聴になります。髄膜炎を起こす危険もあります。自然に罹ってああよかったというようなものではありません。
現状のワクチンが100%安全で有効ということはありませんが、自然にかかるよりはリスクをずっとさげるものだと考えています。

|

« こどもの木クリニック | トップページ | マンドラゴラの降る沼 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/4860/9643971

この記事へのトラックバック一覧です: 水痘・おたふくワクチンについて:

« こどもの木クリニック | トップページ | マンドラゴラの降る沼 »