« パソコンの廃棄 | トップページ | 冬タイヤ »

2005.12.14

インフルエンザ第1号

今シーズン初めてインフルエンザ迅速検査で陽性に出た患者さんがいた。A型。香港型かソ連型かはこの検査ではわからない。トリノインフルエンザでないことは確か。

嘔吐下痢のウイルス性胃腸炎とRSウイルスにはさまれてインフルエンザらしい症状の人は多くない。検査してみてもみな陰性。今日のケースは6歳の男の子。発熱して5日目、下がったと思ったらまた熱が出てきたというのでもしやと思って調べたら陽性だった。他には咳、鼻水。ふつうの風邪と熱がちょっと長いという以外に変わるところがない。あと1日ほどで熱は下がりそう。
ここ数日近隣でもインフルエンザが出ているという話があったのでそろそろだなという時期だった。まだ、流行の兆しというわけではないがこれから増えて来るのは確実。
インフルエンザというと「特効薬」タミフルの話になる。新型インフルエンザに備えてタミフルを備蓄するということになっているが、すでに昨シーズンの世界の消費量の7割近くを日本が使っている。これ以上輸入量を増やすのは無理。ということは昨年並みの輸入量と流通在庫の中から「備蓄」にまわさないといけない。これまでのように片っ端からタミフルを処方していたのでは足りなくなるのは火を見るより明らかである。国や自治体が「備蓄」に動けば流通在庫はあっという間に枯渇する。いつかの「タミフルパニック」の再来である。どこそこの薬局にはまだ在庫があるという噂が飛ぶと処方箋を持った患者さんが殺到してあっという間に在庫切れ。カプセルを壊して子ども3人分にしてみたり、5日間投与が標準のところを3日とか2日とかに減らして、それでも効いたとか効かなかったとか。そういう目にはもうあいたくないものだ。
今シーズンタミフルが不足しても私たちにはここ数年で学んだ知識の蓄積がある。あのころはタミフルがまるで命の綱のような気持ちを患者も(一部の)医者も持っていた。なので、薬がない、大変だ、死んじゃう!という回路に陥っていた。だが、タミフルが登場する前にもインフルエンザはあったのだし、冷静に考えればみな何とか自力で回復してきたのだ。「脳炎・脳症」がクローズアップされたのでインフルエンザは早期診断早期治療が最善の対処だと宣伝されたが、タミフルで「脳炎・脳症」が防げる証拠は何もない。インフルエンザ発病直後に服用しても「脳炎・脳症」を発症する人は発症するようだ。発症には遺伝子が関係しているといわれている。
健康な人がインフルエンザにかかったとき、タミフルは確かに早く熱が下がって楽になるよい薬ではある。だがこれからは、新型インフルエンザ対策と副作用やウイルスの耐性化ということを考えてそのバランスの中で使用するのが妥当な線なのだろう。
今シーズンこそ「検査陽性ですね→タミフル出しときます」のワンパターンから脱却したいものだ。毎年脱却しようと努力するのだが、タミフルを出さないということになると説明に一人あたり3倍の時間がかかるのである。

|

« パソコンの廃棄 | トップページ | 冬タイヤ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/4860/7618350

この記事へのトラックバック一覧です: インフルエンザ第1号:

« パソコンの廃棄 | トップページ | 冬タイヤ »