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2005.10.14

おたふくな日々

このところクリニック近辺ではおたふくかぜが流行っている。水ぼうそうなどと違ってあまり爆発的に流行らないので地味ではある。おたふくかぜの診断は簡単そうに見えて難しい。

このところ何人か続けて、余所で「おたふくかぜの疑い」と言われたあとうちに来た方がいる。おたふくかぜかも知れないし、ただの耳下腺炎かも知れない。抗生剤を飲んでみてすぐに良くなるようなら耳下腺炎かリンパ節炎、良くならなかったらおたふくかぜだ、という説明を受けて抗生剤が処方されている。細菌が原因の耳下腺炎がないわけではない。化膿性耳下腺炎という。これは熱も出るし皮膚まで赤くなって腫れる。そもそも滅多に遭遇するものではない。おたふくかぜと間違いやすい反復性耳下腺炎は細菌が原因ではないし、抗生剤など飲まなくても自然に腫れが引く。つまり抗生剤が効くか効かないかでおたふくかぜかどうかを判別するのはナンセンス。
一番の決め手は感染機会があったかどうか。2−3週間前におたふくかぜの人と接触した可能性があるかどうか。次に、腫れているのが「耳下腺」「顎下腺」などの唾液腺かどうか。リンパ節と紛らわしいことがある。触っただけで判断できなければ、血液や尿の検査で「アミラーゼ」という消化酵素が増えているかで判断できる。これはすぐにわかる。さらに、腫れているのが唾液腺であったとして、原因がおたふくかぜなのかどうかは感染初期に上昇するおたふくかぜのIgM抗体を調べればわかる。この検査の欠点は結果が出るまでに1週間ほどかかること。だから、唾液腺が腫れていればとりあえずはおたふくかぜとして対処して検査結果を待つのが一番いい。「おたふくかぜとしての対処」というのは何をするのかというと、何もしないで休んで様子見るだけ。すぐに腫れが引くようならおたふくかぜではない。
おたふくかぜの患者さんに接触してからすぐにワクチンをうったら発病しないですむのかという質問をよく受ける。はしかや水痘では接触して72時間以内にワクチンを接種すれば発病を防ぐことができる。ところがおたふくかぜではこの手が効かない。はしかや水痘と混同した指導がされていることがあるので注意が必要。

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» 顎下腺唾石症と診断されました。 [柏・松戸・東葛エリアのくらし生活情報サイト]
こんにちは。“石もち家系”Aです。 先日のブログに“唾石”ができているかもしれない・・・と書きましたが、その後のCTスキャン検査でやっぱり唾石があることが判明しました。(号泣) よって、近日中に手術をせねばならないようです。(卒倒) 耳鼻咽喉科で診てもらった....... [続きを読む]

受信: 2005.11.11 10:10

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