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2005.10.08

勉強会

土曜の午後、都心の病院での小児科の勉強会にでかける。連休初日とあって出席者は少なく、しんみりした会となった。

最後に雑談として、先日横浜地裁ででた医療事故訴訟の話がでた。出たと言うより私だが出した訳だが。
6年前、横浜の桜木町にある夜間急患診療所での出来事。
「急性喉頭蓋炎」だった4歳の男の子を「急性咽頭気管支炎」と診断して当番で出動していた開業の小児科医が帰宅させた。男の子は帰宅4時間後に呼吸が止まって別の救急病院に運ばれ、一命は取りとめたものの脳に重い障害が残った。男児と両親は市と担当医に損害賠償の訴えを起こし、このたび一審の判決が出た。
判決では医師の過失を認めて、1億円に加えて毎月10〜56万円を支払うというものだった。
「急性喉頭蓋炎」というのはものを飲み込んだときに気管に入らないよう蓋をする「喉頭蓋」が細菌感染によって腫れ上がって呼吸を止めてしまう病気。高熱が出てのどが痛い。空気の通り道が狭くなれば呼吸が苦しくなる。進行が急速で見逃せばこの裁判のケースのようになるし、診断がついても助けるのは大変。
小児科医の間では救急外来で出くわしたくない病気のナンバーワンかも知れない。幸い、そう多い病気ではない。小児科をずっとやっていて、一生涯で一例出くわすかどうかというところだろう。私にしても自分のいた病院で2例の経験があるが、どちらも当直ではなく翌朝に知ったというもの。
呼吸困難の状態になっていればさすがに誰だって帰したりしないだろうが、その前にこの病気を診断するのはそうとう勘がいいか、運がいいかでないと難しい、というのがこの時の結論。
助けたら「ファインプレー」であるのは間違いない。だが、助けられなくて石を投げられるのではちょっときつい。この判決が当たり前ということになれば、急病センターの出動に二の足を踏む人も多くなるのではなかろうか。

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