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2005.09.30

包括制と出来高制

トップページにあるように、10月1日より3歳未満の方の会計を「包括制」から「出来高制」に変更します。と言ってもわかりにくいので、少し小児医療の医療費制度についてのお話。

当院では3年前から3歳未満の小児の医療費は「小児科外来診療料」という定額料金を採用している。
これはどのような病気で受診してどのような処置や検査をしても、初診と再診が違うだけで、みな同じ料金。厚労省では医療費のコントロールをしやすくするためにこの制度の普及を計っている。だから、ごく一般的な小児科医院がこの制度を採用すると少しだけ出来高制で請求するより高めになるような料金設定をしてある。風邪で来て診察と処方箋だけの人も、血液や細菌の検査をしておまけに吸入や点滴までしても同じ料金。数の上では診察だけの人が圧倒的に多いのであまり検査や処置をしないところでは、ならしてみたら、出来高制より収入がよくなる。その上細かい検査や処置を医事会計システムに入力しなくて済むから事務処理が簡単になるというメリットもある。
3歳未満の患者さんの大半は乳児医療証があるので窓口での支払いがない。懐が痛まないと、こういうところはあまり気にならないかも知れない。
今回、なぜ「出来高制」に戻すことになったかというと、一番の問題は電子カルテと医事会計システムの連携。従来も検査や処置などの診療行為は包括制ならいちいち入力しなくてもよかったのだが、あとで検索したりすることもあるかと全部入力していた。これを電子カルテから医師が入力する事になって受け付けの手間が減るかと思ったら、電子カルテは包括制だと請求できないデータも医事会計システムに送ってしまう。医事会計システムではこの項目は請求できませんというアラートを出すが、不要な項目の削除は手動。結局、受付の手間が増える。出来高制ならそのまま送ってしまえばいい。
その他に、包括制では間に合わない高額処置が増えてきた事もある。血液検査が簡単にできるようになって不要な抗菌剤は使わないようになってきているが、重症感染症の可能性のあるケースが見つかる機会も増えた。こうなると血液の培養検査、抗菌剤の点滴静注など病院並みの対応をしなくては行けなくなる。こういうのをやりだすと包括制は不利。
いろいろ、考えた末に3年間続けた包括制を止めるという結論に達したという訳。
来年4月には診療報酬改訂があってまたこうしたバランスが崩れるかも知れない。そのときはそのときだ。

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