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2005.08.08

針先の魔術師廃業

昨夜の小児急病センターはおおむね平和。数も多くなかったし、びっくりするような重症も来なかった。とはいえ、苦戦はしたのだ。

3ヶ月の赤ちゃんの発熱。38.2℃元気は悪くない。哺乳もできる。そのまま明日近所の小児科に行きなさいですますこともできた。3ヶ月以下の発熱はとりあえず要注意、不用意に帰してしまってはいけないと常々研修医に教えてきた。そんなことが頭をよぎって、「念のために血液検査」をすることにした。「念のための抗生剤」はお勧めしない。
急病センターでは微量検体の測定ができないので注射器でふつうに採血しなくてはいけない。そんなもの「針先の魔術師」にとってはお茶の子さいさいだと思って始めたが、これが難物。血管が全然出ない。肘も手背もダメ、こういうときは大腿静脈か頸静脈、それでもダメなら動脈からなんてことをしていた時期もあった。両親が赤ちゃんを押さえているような状況ではそこまではできない。衰えたり!である。今は「指ぱっちん」で事足りてしまうので小さな赤ちゃんの静脈採血はずいぶんとやっていない。ふだんやってないことをしちゃいかんのだ。小休止を挟んでもう一度トライしたが結局採血できず、「まあ、大丈夫でしょう」とお引き取りを頂いた。幸い、両親から不満の言葉は出ず、「やめときましょう」と言ったらほっとした様子だった。翌日うちのクリニックに来てもらって「指ぱっちん」で採血しようかとも思ったがちょっと遠いので近くの小児科に行ってもらうことにした。風邪でしょうと言われて抗生剤を処方されているかも知れないのだが、そこまでは責任はもてない。
とにかく、心の中の「針先の魔術師」の看板は降ろすことにした。

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コメント

心の中の「針先の魔術師」の看板を降ろされた勇気はさすがです。
それが出来ない先生と呼ばれる職業(いろいろ)の方に多いんですから。

「念のための抗生剤」は患者の側にも抗生剤信奉があったりしますから、サービスとして、どーなんでしょう~?
私も信奉者のひとりです、、ので。

投稿: shimo | 2005.08.09 10:51

「念のための抗生剤」というのが一番のくせ者なんですね。医者にも患者にも抗生剤の信奉者は多いのですが、抗生剤が無害と言うわけでもない。効かなくてもともとと言うわけにはいかんのです。抗生剤を濫用した結果が今の耐性菌うようよの時代です。本当に抗生剤は要るときに効かなくなっていたなんてことにしないためにも不要な抗生剤は使わない、これ正解です。

投稿: 院長 | 2005.08.09 23:05

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