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2005.07.29

川崎のカルロス・ゴーン?!

旧多摩区役所跡地に建設中の「(仮称)川崎市北部医療施設」は来年2月に「川崎市立多摩病院」という正式名称でオープンする。前を通ると建物はもうすっかりできあがっていて、後は中身という状況になっている。

この病院は市が直接運営するのではなく聖マリアンナ医大が指定管理者として運営に当たることになっている。聖マリアンナ医大登戸分院じゃないかという声も聞こえて来るように、聖マリアンナ医大の内部事情が病院の性格に現れていた。「24時間365日の小児を含む救急医療体制」を作ると設立趣意書には書かれているが漏れ聞こえてくる話では予定されている小児科の常勤医は4名という話。これでは救急医療どころか毎日当直医を置くことすら厳しい。2次救急の輪番に週2回くらい入れればいいということのようだった。これは公約違反ではないかと思うのだが、ここに来て状況が急展開した。
今年の4月から武弘道氏が川崎市の病院事業管理者 に就任した。武弘道氏は小児科医で鹿児島市立病院勤務時代には徳之島の「五つ子」など多くの多胎児を育てて来たことで有名。「ふたごの話、五つ子の秘密」 など多胎児に関する著書もある。鹿児島での病院管理の手腕を買われて埼玉県に移り、県立病院の再建に力を発揮して「埼玉のゴーン」 と呼ばれたそうだ。
6月の市議会では「自治体病院が小児救急をになう」 という答弁をして、市立多摩病院で小児救急医療を展開することを宣言した。こうした話はそれまで水面下で行われていて、地域の小児科医にとっては初耳だった。
現在多摩区役所の一角で細々と営業している「北部小児急病センター」は中途半端な妥協の産物である。病院小児科は「初期救急」をできるだけ見たくない。「初期救急」は開業医を中心とした「急病センター」へという流れでできた。多摩病院が完成したらそちらに移転して病院との一体化を図ろうという私のかねてからの主張 も顧みられることはなかった。そんなわけで、今回の展開はまったく意外だった。
救急医療の中で小児科医が疲弊しない体制を作るには何人の医師を確保すればいいのか、またその目算はあるのか。知りたいことはたくさんある。これまでの路線から急展開するわけだから現場の抵抗も強いだろう。
経歴からするとこれまでも強力なトップダウン政治を行ってきた方のようだ。はたして川崎でも「カルロス・ゴーン」になれるのか。しばらく目が離せない。

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