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2005.04.20

1歳半検診で

午後は保健所で1歳半検診。雨でキャンセルが多いのかふだんよりだいぶ数が少ない。よそのクリニックでみている子どもさんがほとんどなので、余所での指導がわかるところがおもしろい。

検診カードに親からの質問事項があって予診段階で「診」と記入してある質問は医者が応対することになっている。ふだんのかかりつけでも質問しているのだろうが、別のドクターにも聞いてみたいというようなことが多い。
その1:アトピー性皮膚炎で「卵アレルギー」と言われている。三種混合と風疹、ポリオはすんでいるが「はしか」の予防接種は見合わせるよう指導されている。これでいいでしょうかというもの。
はしかワクチンでショックを起こしたりすることはあった。以前はこの原因がはしかワクチンに微量に含まれる卵白成分のせいだと考えられていたが、実は安定剤として含まれていたゼラチンによるものが多いことがわかった。ワクチンからゼラチンが除去されてショックの例は激減した。だから「卵アレルギー」といっても症状が湿疹程度の場合はふつうに接種しても大丈夫。仮にはしかワクチンによるショックの危険を心配したとしても、少量の皮内反応をおこなって安全を確認してから接種する方法もある。市内の4病院ではリスクの高い子どもにワクチンを接種する専門外来がある。自分で接種するのがイヤならそこに回せばよい。少なくとも「見合わせましょう」という指導はないだろう。
その2:「斜視」ではありませんか。
見たところ斜視ではない。幼児は目と目が離れているので鼻側の白目が見えにくくて内斜視のように見えることがある。こういうのを「仮性内斜視」という。親も斜視だとは思っていない。どうして心配なのかと聞くと、かかりつけ医での10ヶ月の検診の時に「斜視かもしれない。実は予防接種をしたときも気になっていたのだが言わなかった。次に検診を受けるときにはこのことを言うように」といわれたというのだ。なんのための検診、なんのためのかかりつけ医なのだろう。診察して斜視を心配するのならきちんと眼科を紹介すればよい。「斜視かもしれない」といって何の解決の道筋もつけないのなら黙っていた方が余計な心配をかけないだけマシ。後になって問題になったとき自分が見落とした訳じゃないという言い訳の余地を残したいだけじゃないかと思ってしまう。
その3:早く立ったのでO脚が心配です
2歳前の幼児はみなO脚である。どうして心配しているのかと聞くと、7ヶ月検診の時にもうつかまり立ちをしていて、立つのが早すぎるとO脚になるので注意するように言われたという。
早く立つとO脚になることを実証したデータはない。そういうことを言う人はいるが何となくそう思っているだけ。自分で立ち上がる筋力があって立つのなら少々早くても骨格が変形することは考えにくい。仮に、早く立つとO脚になると思うのなら、「注意しましょう」では無責任ではないか。どう「注意」したらいいのか。赤ちゃんを立たないようにしばりつけておくとでもいうのか。具体的な対処法も明示しないで不安だけをあおるというのが一番困る「指導」だ。

というような、ツッコミばかり考えながら検診していた。どうも、こういう集団検診の場にいるとつい他の医者のやっていることにツッコミを入れたくなる。そういう気分になるのは私だけではないようだ。うちでみている赤ちゃんで脂漏性湿疹がひどい子が3ヶ月検診に行った。そこで当たったドクターに、どうしてこんなになってるのにほっといてるの。抗生剤使わなきゃダメだよ、塗る薬だけじゃなくて飲み薬もだよ、主治医によくいっときなさい、と言われたという。皮膚がじくじくしているからと言って細菌感染が起きているわけではない。抗生剤など使わなくてもステロイドのローションをちょっと使えばさっとよくなる。お母さんもそのことがわかっているので、定期の受診日に来てその話を教えてくれた。

集団検診というのは子どものごく一部の断面しか見ない。それであまりわかった風なことをいうのもよくないかと、いろいろ言った後に反省。

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