« 犬に噛まれた | トップページ | お花見ラン »

2005.04.09

「アレルギーの検査」について

「アレルギーの検査」をしてほしいというリクエストをよく受ける。アレルギーがあるかどうか、何に対するアレルギーなのかを知りたいというもの。たいていはゼロ歳の乳児。

症状はと聞くと、ちょっとした乳児湿疹だったり、親が「アレルギー体質なので」とか、あるいはほとんど何も症状がなかったり。アレルギーかどうか悩んでいるよりさっと検査してもらってはっきりさせた方がスッキリするということらしい。ここで希望される「アレルギーの検査」とは血液中の即時型アレルギー反応に関与する血中総IgEと卵など特異的な抗原と結合する特異的IgE の検査(RAST法)のようだ。
 血液検査の結果陰性だったら「よかったアレルギーじゃなかった」となり、卵白がクラス2だったりしたら「ショック、うちの子は卵アレルギーなんだ」ということになる。だが、ことはこれほど単純ではない。
IgEは即時型アレルギーに関係するもので、即時型アレルギーはアレルギーの元になる物質が体内に入って15分以内に症状が起きる。アトピー性皮膚炎は遅延型反応なので直接IgEが関与するものではない。IgEは遅延型アレルギー反応にも交差反応があるのでアトピー性皮膚炎の人のIgEが高いことは多いが、低い人もいる。逆に卵白に対する特異的IgEが陽性でも卵白を摂取して何の症状もでもない人もたくさんいる。アトピー性皮膚炎かどうかを血液検査で決めるのではない。アトピー性皮膚炎は症状と経過から診断するもの。IgE検査はあくまで補助的な診断手段である。これが「アレルギーの検査」として一人歩きしているのが現状だ。
 ある事情で、川崎市の保健所ではこの「アレルギー検査」が行われている。総IgEと卵白、牛乳、小麦の3種類の特異的IgEだけ採血して測ってくれる。結果を教えてもらえるのは1ヶ月先。しかも、数値を書いた紙をもらって説明を受けるだけで、治療には結びつかない。あまり知られていないこともあるが、病院で検査してもどうせ乳児医療証で無料だから保健所で受けるメリットはほとんどない。どうしてこんな中途半端なことをしているのかというと、「喘息」の公害病認定が中止になって新規に認定される患者さんが居なくなったからだそうだ。このための予算が余って、何か別の使い道を作らないと予算枠はなくなってしまうので「アレルギーの検査」をやることになったというのだ。この話を聞いたときには愕然。IgEの検査費用は高額なのだ。

|

« 犬に噛まれた | トップページ | お花見ラン »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/4860/3633684

この記事へのトラックバック一覧です: 「アレルギーの検査」について:

« 犬に噛まれた | トップページ | お花見ラン »