« 母乳と薬 | トップページ | 流山児かぶき »

2005.01.08

おたふくかぜワクチン

おたふくかぜの合併症に睾丸炎があることはよく知られている。10歳以上の年長児では睾丸炎を起こす率が高くなるがたいていは片側だけなので男性不妊の原因となることはまれだ。

今日患者さんから質問があった。18歳以上でおたふくかぜにかかると睾丸炎で不妊症になるので小さいうちに自然にかからせた方がいいというの本当ですか、というもの。まず、18歳という区切りがおかしいが、年長の男児では睾丸炎を起こす確率が高いのはたしか。だからといって、予防接種はしないでわざと自然に罹らせるというのは危険きわまりない。おたふくかぜの合併症は睾丸炎だけではない。女児では卵巣炎が起きる。無菌性髄膜炎はどの年齢でも起こりうる。ほとんどは後遺症なしで完治するがそこまでの間大変辛い思いをしなくてはならない。高度難聴が3000人にひとりくらいの確率で起きると言われている。ほとんどが片側なので全く耳が聞こえなくなることはないが治療の手段がない合併症なので起きたら手の打ちようがない。自然感染のおたふくかぜで合併症無く軽く済む人は多いだろう。だが、それは結果論。自分の子どもが「運が強い」ということでその「運」に賭けるということだ。
そういうギャンブルをしなくていいようにワクチンがある。ワクチンを接種しても10人に1人くらいの確率で軽いおたふくかぜに罹ることはあるが、重い合併症はほとんど起きない。自然感染に比べて免疫の持続が悪いと言われるが、途中で自然感染の機会があれば免疫が強化されるし(ブースター効果という)、もしそういう機会が無く大きくなったらもう一度ワクチンをやっておけばよい。
とにかく、「自然に罹らせて免疫をつける」なんていう博打はお勧めできない。

|

« 母乳と薬 | トップページ | 流山児かぶき »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/4860/2509056

この記事へのトラックバック一覧です: おたふくかぜワクチン:

« 母乳と薬 | トップページ | 流山児かぶき »