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2005.01.31

インフルエンザワクチンは効いているのか?

このところのインフルエンザの流行で、例年通り「ワクチンを接種したのに罹ってしまった」というこどもさんが多発している。今年のワクチンは「当たっている」のかとか、そもそもワクチンは有効なのかという質問もよくうける。一度自然のインフルエンザにかかれば5年は免疫が続くのでワクチンは必要ないというのはほんとうかと聞かれたが、それは「デマ」だとお答えした。名の通ったお医者さんのホームページに書いてあったというのだが検索してみても見つからなかった。

インフルエンザワクチンがはたして効いているのかというのは我々医療従事者も気になるところ。どの程度の有効性があるのかという調査はいろいろあるが小児を対象としたものは少ない。
日本医師会のホームページの中の「インフルエンザQ&A【医療従事者のために】」では有効性について次のように書かれている。
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日本では、厚生科学研究費による「インフルエンザワクチンの効果に関する研究(主任研究者:神谷 齊(国立療養所三重病院))」の報告によると、65歳以上の健常な高齢者については約45%の発病を阻止し、約80%の死亡を阻止する効果があったとしています。また、同じく厚生科学研究費による「乳幼児に対するインフルエンザワクチンの効果に対する研究(主任研究者:神谷 齊(国立療養所三重病院)・加地正朗(久留米大学))」では、発熱を指標とした場合1歳以上で6歳未満の幼児では約20〜30%の発病を阻止する効果があり、1歳未満の乳児では対象症例数も少なく、効果は明らかでなかったとしています。また、日本臨床内科医会の河合直樹らは、0〜15歳では1回接種、2回接種それぞれで、発症予防効果は68%と85%、16〜64歳では55%と82%と報告しています。
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神谷班の報告だと1−6歳の幼児で20−30%の発症阻止効果があるということである。これは、ワクチンを接種しない幼児の100人の集団で10人がインフルエンザにかかった場合、ワクチンを接種した100人の集団ではインフルエンザにかかるのは7−8人である、ということ。ワクチン接種していない人の発症が100人中50人なら、接種した人の発症は100人中30−40人という確率になる。また接種した人と接種しなかった人の割合も「有効性」を実感できるかどうかを左右する。接種率が高くなればインフルエンザ患者の中での「接種したのにかかった人」の割合は増える。「効かない」と感じるわけだ。このデータ、一応「インフルエンザワクチンは幼児に対して有効」とは言えるのだろうがなんとも分の悪い数字だ。だが昨シーズンに感じた実感に近い。
河合らの報告では発症予防効果は85%というが、神谷班の報告と調査対象も調査方法も全く違っているので単純な比較はできない。だが調査法が違うだけでこんなに結果に差が出るというのはおかしいこと。それだけ「効果がはっきりしない」ということである。
「はしか」や「ポリオ」ワクチンでこのような「有効かどうか」を議論する余地はない。誰が見ても一目瞭然で「有効」なのだから。
秋から冬にかけて休診時間を返上してせっせとワクチンを接種してこの数字というのはいささか寂しい。

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どうもー。支配人です。 今日の支配人はブルー。理由は2つあります。 1つは天気が [続きを読む]

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