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2004.12.03

こんにゃくゼリーで窒息

数日前の新聞記事だがネットで話題になっているのを今日知った。川崎市の3歳児がこんにゃくゼリーでのどを詰まらせて窒息、救急車をよんだが、市立川崎病院に搬送を断られたということで両親が提訴したという。

共同通信の短い記事では日中なのか当直時間帯なのかわからなかったが、毎日新聞によれば昨年8月7日午前9時35分頃の出来事だという。つまり病院はフルに稼働している時間帯だ。
救急隊が到着してゼリーを取り除いて市立病院に連絡したが受け入れを拒否されたとある。後の結果から推測すれば、すでに心肺停止の状態だったのだろう。こういう窒息事故では現場で息を吹きかえさなかったら助かるチャンスはまずない。心肺停止が5分続くと脳に不可逆的変化が起きる。川崎市の場合救急車の到着は電話を受けてから平均6分かかるという。となれば、事故に居合わせた人がとっさに救命処置ができたかどうかが最大の鍵。
救急隊は30分ほどかかる病院しか受け入れ先がないということで再度市立川崎病院に連絡して今度は受け入れてもらって搬送した。この間に12分の遅れを生じたという。
10時10分に病院に到着したものの蘇生できず午後7時50分に死亡を宣告した。両親はこの12分がなければ助かったはずだと提訴に及んだ。おそらくこの12分はその時1時間にも2時間にも感じられたことだろう。
すぐに市立病院が受けていてくれたらという両親の無念はわかる。だが、勝負はその前についていたのではないか。もうひとつの問題は、3歳の幼児にこんにゃくゼリーを与えたこと。こんにゃくゼリーの事故は有名で幼児には与えないことは常識、とまで言うと子どもをなくされたご両親には酷だとは思うが、ここに最初のつまづきがある。じゃ、こんにゃくゼリーを禁止すればいいかというと、そんなことをすれば毎年もっと死者を出している「もち」はどうするのだという話になる。
現場で蘇生できなかったら病院到着まで20分でも30分でも結果に差はないのではないかと思う。救急隊の蘇生がどうだったのかも気にかかる。心肺停止で蘇生できないのなら後で始末書書くつもりで受け入れの返事を待たずに市立病院に飛び込む手もあっただろう。
だが、市立川崎病院が最初に断ったことにはどうしても疑問符が付く。直接関係者から事情を聞いたわけではないので以下は私の「憶測」。
救急隊からは窒息・心肺停止という情報が入ったはずだ。手の空いた医師がいないのは当たり前だ。どこの病院だって、昼間に救急用にスタッフを一列空けて待っているなんてことはない。外来や病棟を放り出して救急部に駆けつけるのが普通だ。あの地区で市立病院が断ったらどこでやってくれると思ったのだろうか。
市立病院には知った先生方もいるので言いにくいことだが、どこかに自分たちの病院は「救急病院」じゃないという意識があるのではないかと思う。

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コメント

はっきりいって、こんにゃくゼリー食べさせた段階で親失格です。
みてもらえたのに、訴えるなんてことしたら、もう小児救急はみないという病院が増えるでしょう。
親が全面的に悪いです。(子供の首を絞めてから助けてというのと一緒です。)

投稿: やまだ | 2005.12.29 13:35

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